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このページでは、ワーキングメモリーを鍛える可能性のあるトレーニングを紹介していきます。トレーニングと言ってもゲームなので肩の力を抜いてやってみましょう!
トレーニングは基本的に「何かをしながら別のことをする」というものです。同時に複数の作業を行うことによって、ワーキングメモリーが鍛えられます。毎日コツコツやって鍛えていきましょう。
ただ、n-back課題などはあまりにも長時間しすぎると、大脳皮質の体積が減って逆効果となってしまうようなので要注意ですよ。
n-back課題
おそらく、ワーキングメモリーのトレーニング方法として最も一般的なのではないでしょうか。結構疲れるんですが頑張って25分以上やってみましょう。
さて、このn-back課題、どんなトレーニングなのかと言いますと、「n個前の計算や指示を順にこなしていく」というものです。
例を挙げて説明しましょう。3×3のマスがあって、内2つだけ黒色に塗られているのをイメージしてください。
まず、この黒マスのパターン (A) を覚えます。次に別のパターン (B) が表示されるので、これも覚えます。次にまた別のパターン (C) が表示されるのでこれも覚えます。この (C) が消えた直後、最初に覚えた (A) の黒マスがどこにあったかチェックします。すると次のパターン (D) が表示され、消えて、(B) の黒マスの位置をチェックします。
というように、「覚えて、前に覚えたものを答える」ことを繰り返すんです。
3個前に覚えたものを答えるので、これはn=3とか3バックと呼ばれます。当然nの数が増えれば増えるほど、前のパターンをずっと覚えておかなければいけないので難しくなります。
このトレーニングができるプログラムは、ネット上で無料で手に入れることができます。
n-back課題トレーニングソフト「エムズメス」
エムズメスでは見て覚えるn-back課題だけでなく、聞いたものを覚える課題、視覚聴覚を複合した課題もすることができます。
ブラウザ上でトレーニングするなら、『無料 脳を鍛える(脳トレ)ゲーム集』さんで公開されているゲームがとても役に立ちます。これなら外出先でもネットが繋がる環境ならどこでもできますね。ちょっとやりにくいですが、iPhoneでもプレイできちゃうのが驚き。
ワーキングメモリを鍛える2(n back task)
鬼トレ
n-back課題は辛いし、ずっと同じのばっかりで飽そう……という方にオススメなのが、ニンテンドー3DS専用ソフト「ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング (通称:鬼トレ)」です。
東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 新品価格 |
n-back系を中心に、ワーキングメモリーの能力向上が期待できるとされるトレーニングが多数収録されています。その他にも日々のデータをグラフで見たり、Wi-fiで他の人と成績を競ったり、マスコットキャラ(?)の教授が励ましてくれたりと、飽きずに続けられる工夫が凝らされているんです。
トレーニングをいくつか紹介しましょう。
・鬼計算 | 1ケタ同士の足し算と引き算で、n個前の答えを書くn-backです。私なんかはまだ5backぐらいまでしかできないのですが、世の中には十数backできる人がいるそうですよ。恐ろしいですね。 |
・鬼めくり | いわゆる神経衰弱です。 |
・鬼ネズミ | 3×4=12マスの中にいるネズミの位置を当てるトレーニングです。ネズミのほかにネコが計12体となるように入っています。ゲームがはじまると全マスがパネルで覆い隠され、画面の上下左右からネズミやネコが入れ替わりしていくので、それらの数からネズミの移動を頭の中で追います。しばらくして移動が止まったら、ネズミの位置を言い当てましょう。ネズミが多くなると、頭に保持しておかなければならない情報が増えるため難しくなります。 |
・鬼朗読 | 下線の引かれたフレーズを覚えながら、文章を朗読するトレーニングです。フレーズを覚えるために朗読が滞ってはいけません。 |
・鬼耳算 | 鬼計算の出題が音声になったバージョンです。問題が「9ひく2」「3たす4」「5ひく0」というふうに声で出題されます。たったそれだけのことなのに、鬼計算と比べ物にならないくらい難しく、疲れます。一度体験してみてください。 |
いずれのトレーニングも初めはすごく簡単なレベルから始まります。え?大丈夫?って不安になるくらい。でも、安心してください。どんどん難しくなります。問題の正答率よってレベルが変動し、プレイヤーにとって丁度いい感じに難しい難易度でトレーニングできるようになっています。
鬼計算 (はやい2バック) を例にとって説明しましょう。1セットの問題数は徐々に増えていきますが、初期は20問くらいです。
うんと集中して、2個前の答えを覚えながら計算していきます。いくつかミスしつつもなんとか終了!すると正答率が表示されます。85%以上なら「3バック」にレベルアップ、65%以下なら「2バック」にレベルダウン、その間くらいの正答率ならレベル据え置きで次のセットへ。
このようなサイクルを5分間繰り返します。
文章で書くとそれほど伝わらないかもしれませんが、実際にすると結構疲れます。それでも前述したような続けられる要素がいろいろ盛り込まれているので、普通の淡々としたn-back課題よりも続けやすいのではないかと思います。
暗算
暗算はワーキングメモリーを鍛えるのに役立つと言われています。
たとえば12+49を計算するとき、1の桁の計算結果と繰り上がりを頭に置きながら10の桁を計算するという作業を行います。このとき、一時的に記憶を保持しながら別の処理するということが行われているんですね。
まさにワーキングメモリーを使って計算しているわけです。
では、小学校の頃を思い出して沢山計算しましょう。2〜3ケタの足し算・引き算が良いでしょう。
iPhoneを持ってる方は、外出用に「暗算トレーニング - 計算で脳トレ!」というアプリをインストールしておいてもいいかもしれません。
シャドーイング
テレビやラジオの音声から少し遅れて復唱していくトレーニングです。
話を聞きながら理解しつつ、復唱する。気を抜くと、すぐにわけが分からなくなったりします。最初は音声から0.5秒くらい遅れて、慣れてきたら3秒くらい遅れて復唱するとよいでしょう。
このトレーニングの良いところは、新しい情報を得つつ、スピーキングのトレーニングもできちゃう点です。
その気になれば機材も何もいらないので、外出時や待ち合わせのちょっとの間にもできます。
ただ、近くに人がいるときにすると恥ずかしいことになります。そんな時は頭の中で再生するだけにしておきましょう。
音読
読書算盤などと昔から読書の重要性は散々囁かれてきましたが、なんとワーキングメモリーの改善にも役立つようです。
もちろん黙読でも構いませんが、できれば口に出して読んだ方が良いでしょう。
また、簡単な英文を読むことも良いトレーニングになると言われています。
場所は選びますが、お手軽なトレーニングですね。
有酸素運動
ジョギングなどの有酸素運動もワーキングメモリー・トレーニングとして効果があるされています。週に2〜3回以上することをオススメします。
脳の血流量が上がって吸収が促進されるため、卵や肉などのたんぱく質、あるいはチロシンなどのサプリを摂取してから行うのが良いでしょう。
有酸素運動はWMトレーニングとしてだけではなく、脳機能の向上のための基礎になります。ぜひ取り入れましょう。
軽い有酸素運動のほかに、球技もワーキングメモリーを鍛えるのに良いと言われています。
例えばテニスの「ボールを打ち返す」ためには、弾道を予測しながらボールとの距離を測りつつ、体を運んでボールを捉える、という複雑な作業を同時にこなすことになります。
他にも体をアクティブに動かすために、脳は無意識に多くの感覚を処理することになります。その上さらに次の展開を考えながら打つとなると……。